昨夜も
暗い林や森のなかを歩き
昼前の驟雨に濡れたままの
滑りやすい石から
べつの石へ
また
べつの石へと移りながら
小川を渡り
石のはざまの闇の
あまりに暗くて
あまりに黒くて
ひかるようなほどなのを
見つめた
その時間
そこで
石のはざまのこの闇を
見た者は
わたしのほかには
いない
つまり
わたしは世界を
確実につかまえていたのだ!
石のはざまの闇を
わたしが見
見られたものとして
意識されたものとして
壮大な情報庫に
わたしが収容した!
なんびとも
世界なるものと
孤絶しているかのような彼自身や
彼女自身との
かかわりぐあいを
根底から
考え直さねばならない!
わたし以外のだれも
見なかったが
石のはざまの闇を
わたしだけは見たのだ
ということが
世界の真のありようを掴み直す
唯一の手ざわりに
なる
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