夏の夜はすばらしい
夏の夕暮れもすばらしく
だれかといたりしても
「ひと」はすべて背景でしかない
人物や出来事よりも
夏の夕暮れや
夜こそが
中心だと感じる
夜なのに
見えない動きがあって
そこかしこ
これこそが頂点だ
と告げてくる
いっしょにテラスで
食べたり
飲んだりした人びとや
偶然となり合わせた
見知らぬ人たちや
それでいて
飲みながらわきあいあいと
語りあった人たち
みんなが
ただのお飾りだったのだと
だんだんわかってくる
個々の「ひと」など
なにも重要ではなく
ただの電飾や
ただのテーブルクロスや
塩やコショウの小瓶のような
ものに過ぎなかったのだと
大事なのは
夏の夕暮れや夏の夜
そのもの
なのだったと
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