2021年7月27日火曜日

過去を過去う

 

 

行くところがわからないほど

崇麗なものはないだろう

すべて偶然の神託によるべきだ

西脇順三郎「禮記」

 

 

 

人は

言葉で

過去を書こうとするか

思いを書こうとするか

感情を書こうとするか

希望を書こうとするか

未来を書こうとするか…

 

いずれしても一定のパターン内の黒シミつくりで

さびしい

わびしい

そんな程度の範囲内でくるくる回っているネズミのようで

 

過去を書こうとするか

と書きかけて

パソコンはさっき

過去を過去うとするか

と文字を走らせかけ

一瞬

新たな世界が拓かれかけた

 

パソコンの

誤作動や

勝手な走りに頼ったほうがいいか

 

過去を過去う

のほうへ





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