2025年1月31日金曜日

量子化

 

 

文字は

死の国への門であり

読むことは

死そのものである

 

文字を並べた人物の顔や姿には

まったく興味がない

 

知りたいと思わない

 

ただ文字の並びだけがあればよい

 

そこに人間はいらないし

文字を並べるに至った経緯など

文字の並びの中に

感じとれる程度でよい

 

古典が素晴らしいのは

文字を並べた人物の顔や姿が

連れ添って来ないから

 

読むことは

人間から

ひたすら

遠ざかろうとする企てであり

血も

潤いも

温かみもない

しかし

意味のレースの重なりの

夢と印象と概念のミル・フイユの

隙間隙間を

経めぐり続ける

量子化





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