2025年1月13日月曜日

融通無碍に働く器


 

たとえば

読むことと書くこと

 

物質界への積極的な発信を優位に見たがる思考においては

書くことのほうを優位としがちだが

かなり前から

私は

読むことのほうを優位に見ている

 

読むことと書くこと

さらにひろげて

受けとることと発すること

としてみる

 

おそらく

あらゆる行為において

受けとることのほうが優位に立つ

私は

ほぼ断定している

 

なんであれ

発することは

その時点で視界狭窄と盲目を余儀なくされる

 

しかし

受けとること

受けとり続けること

最終受けとり者となること

豊かさは

計り知れず

受容内容の選択をたくみに外していく術を身につければ

無限の視界拡大と

受容情報の無限増大を

意味する

 

つかの間の情報集積網でしかない「私」が

いかに複雑かつ多層的な言語体を発しようとも

その貧しさは

「私」の外の無限の情報の海の前では

比べるのも愚かだ

 

無限の情報の海に

目や耳を開き続けるほうがよい

 

「私」の外の

無限の情報を受け続ける器でのみあれば

よい

 

最も重要なのは

堅牢で

巨大で

繊細で

可塑的で

融通無碍に働く器であることだ






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