テレビのCMで
吉永小百合が
なにか
しゃべっていた
テレビのほうを見ずに
キッチンに向かっていたので
はじめ
吉永小百合と気づかず
こまかくガラガラした音の混じる
音質の悪いダミ声だな
と感じた
テレビの画面のほうに
ちょっと目をやると
吉永小百合だったので
すこし驚いた
芸能界の皇室のような
昭和以来の芸能人の
トップ・オブ・トップである
その人の声が
じつは
音声だけ聴くと
ダミ声なのだ
なにせ
もう歳をとっているのだから
声の質が悪くなっていても
それはしかたない
けれども
ふだんは顔とともに聞かされるから
声の質の劣化に
あまり気づかないものの
映像抜きに
声だけを聞くと
じつは
よい声ではないことには
ちょっと
哀愁を感じてしまった
ちなみに
吉永小百合に対して
べつにアンチなわけではない
橋幸夫と歌った「いつでも夢を」*はよかったし
若い頃の映画出演では
ディズニーのアニメから出てきたような
齧歯類系の美しいお姉さんぶりで
彼女が出た古い映画を見直すたびに
やはり別格の女優と思える
中年になっても
ブロマイドをあれこれ見ると
時代をこえて惚れ惚れとしてしまう
そんな吉永小百合にして
こうなってしまうのか
と感じさせられるものだから
哀愁してしまうのだ
吉永小百合でさえもこうなら
吉永小百合でない人々など
もう
もう
もう
推して知るべし 哀愁
ではないか
*「いつでも夢を」(1962)
https://www.youtube.com/watch?
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