停戦合意がなされたというのに
ガザではイスラエル軍の攻撃が相次ぎ
少なくとも
81人が死亡したという
締め切り間際の
駆け込み虐殺
とでもいうものだろうか
記事を読みながら
イスラエルやパレスチナ自治区の地図を見ると
ヨルダン川西岸自治区の東に
死海があるのが見える
死海の北東部には
古代オリエントで最も古い町エリコがあったはずだな
と思い出した
ルカによる福音書の有名な箇所に
こうある
イエスは答えて言われた。
「ある人が、エルサレムからエリコへ下る道で、強盗に襲われた。
たまたま、祭司がひとり、その道を下って来たが、彼を見ると、
ところが、あるサマリヤ人が、旅の途中、そこに来合わせ、
次の日、彼はデナリ二つを取り出し、宿屋の主人に渡して言った。
『介抱してあげてください。もっと費用がかかったら、
彼は言った。
「その人にあわれみをかけてやった人です。」
するとイエスは言われた。
「あなたも行って同じようにしなさい。」
(10:30-37)
今の世にも強盗がおり
祭司がおり
レビ人がいる
よきサマリヤ人も
いるだろう
「だれが、強盗に襲われた者の隣人になったと思いますか」
というイエスの言葉に
「隣人」になる必要などない
と心のうちで答える者も
いつの世にも
多いことだろう
エリコといえば
むかし
『エリコへ下る道』
という
小川国夫の作品もあった
むかし
というのは
もう誰も読まず
返り見ないからだ
一時期
という以上に
長い年月
戦後の優れた作家や詩人と目されていた人たちが
もう
すっかり忘れられ
返り見られず
読まれない
残念とか
遺憾とか
嘆かわしいとか
いうより
世間で価値があるとされたすべてが
自然のなかでの風化のように
蒸発現象のように
そのようになっていくのを
わたしは
ずいぶん見た
エリコは
英語ではジェリコである
ヘブライ語では
ヨイホ
という音に近い
アラビア語では
アレハ
という音に近いようだ
0 件のコメント:
コメントを投稿