新年が来て
年賀状のやりとりや
メールやLINEでの年賀のやりとりの際に
返信をしてこない人のことは
やはり
少し考えてしまう
気になる
というのでは
ない
考えてしまうのだ
同年代や
年下のひとなら
体調を崩したのではないか
いろいろなことのある昨今だから
よもや
亡くなったのではないか
などと
考えてしまう
問題なのは
高齢者であるひとで
それも
他所の径路から
元気でいると聞いているひとの
場合だ
高齢になったのだから
年賀状のたぐいは終わりにしたらよい
などとは
よくチープな処世術で言われる
それもよかろうと思うが
ちゃんと今生の年賀状の終わりを告げてから
というのが常識であろうし
ましてや人生の最長老なのだから
そこははっきりと
模範を示すつもりで告げるべきだろう
ところが
こちらになにも告げて来ずに
ある年ふいと返信をしてこなくなる
じぶんより若い者には
年賀状をやめると告げる必要もない
といわんばかりの
みごとな切り捨てぐあいである
こちらとて
葉の浮いたような言葉を並べた返信が
どうしてもほしい
などと思っているわけではない
年に一度の
「まだ生きてますか?」
「まだ生きてますよ」
というやりとりとしか思ってはいない
とはいえ
それでも年末の忙しい時に
時間を削ったり
睡眠を減らしたりして
毎日勤めをこなしている身として
下手な字をちょっとはきれいに書こうとしながら
一枚の葉書を仕上げ
馬鹿みたいに高くなった郵便代をかけて
投函してくるのだ
まったく今どきの若い者は……
という言い方が昔からあるが
こんなわけで
まったく今どきの老人は……
というつぶやきを
正月には
ふと
洩らしてしまいがちになる
もちろん
老人を十把一絡げにしてはいけない
わたしの先生にあたるひとたちは
ちゃんと返信してくるし
それどころか
長年のやりとりの結果として
年下のわたしに対して
元日に届くように
送ってきてくれるひともいる
年下の者に対して
いっそうの礼節を保とうとするかどうか
これは
人品のはっきり顕われるところと
思える
わたしの先生たちは
身をもって
模範を垂れてくださっているものと
思う
そのようでありたいと
わたしも思う
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