2025年1月22日水曜日

感心してしまった


 

 

よけいな説明も講釈も入らない

皮肉も批判も入らないYouTubeの動画で

第四十七代アメリカ大統領の就任式をながながと見た

 

権力と経済力と運の

頂点に立つ人びとの集まりというべきだろう

時分の花というべき

時の人たちの集まりでもあった

 

感心してしまった

 

日本より

はるかに無駄な儀式性の少ないアメリカだというのに

なんというながながしい

つまらない儀式であることか!

 

彼らが

よくそれに堪えて

中年以上の肉体にとってはキツイ

老年に達した肉体にとっては猶更キツイ

あの長丁場を

かなりの時間立ったままでいたり

まわりに合わせて拍手をしたり

足を組んだり

組み替えたりはしても

ろくに身動きもできないで椅子に座っていたりして

我慢し続けていることに

ほとほと

感心してしまった

 

78だという第四十七代アメリカ大統領も

プロンプターを見ながらであっても

よくまあ長々と

いろいろしゃべるものだと

感心してしまった

 

就任式が終わってから

初仕事を披露するというので

なにをするのかと思ったら

たくさんの法令にマジックペンでサインを次々した

自分が78歳になって

あんなにたくさんの法令ファイルに

次々とサインをしないといけなくなったら

つまらないし

疲れるし

堪らないだろうなあと想像し

感心してしまった

 

現代世界で最高の権力を持つ

といってもいい立場にみごと成り上がって

やることと言ったら

マジックペンでの次から次へのサインだということに

最高権力国家の大統領の

とんでもないつまらなさが感じられて

感心してしまった

 

四年間の任期を

もし

まっとうするのだとしたら

四年間も

マジックペンで

法令ファイルにサインし続けることになるわけか

くわえて

立ち続けたり

拍手をしたりしないといけない

たくさんのレセプションやパーティーに出続けたり

サンタクロースの人形みたいな

変なクネクネ踊りを

ときどき景気づけに

やって見せたりしないといけなかったりするのか

それを思うと

感心してしまった

 

そうまでして

アメリカファーストを掲げるおいらファーストを演じ続ける

自己顕示欲があるのか

あるいは

そんなものはすでになくて

すっかり悟りきって

ほんとうに世の中を良くしようと願って

歳をとってあんな労苦を買って出ることにしたのか

どちらの場合であったとしても

感心してしまった

 

就任の誓いと祝福が済み

祝砲が外で鳴ってから

軍の合唱隊が入場しながら歌っていたのが

日本の子どもにもお馴染みの

『ごんべさんの赤ちゃん』であることにも

あるいは

『おたまじゃくしはカエルの子』であることにも

感心してしまった

 

この曲はもちろん

アメリカ愛国歌の

『リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republic)』で

 

Glory! Glory! Hallelujah!
Glory! Glory! Hallelujah!
Glory! Glory! Hallelujah!
His truth is marching on.

 

をサビとする

神の栄光を讃えつつ

南北戦争を戦う歌なのだが

https://www.youtube.com/watch?v=Jy6AOGRsR80

もともとは

『ジョン・ブラウンの亡骸(John Brown’Body)』という歌で

黒人解放をしようと努めたジョン・ブラウンという活動家が

戦争で死んだ後に贈られた追悼歌で

 

John Brown's body lies
a-mouldering in the grave

His soul's marching on

 

He's gone to be a soldier
in the army of the Lord

His soul's marching on.

 

ジョン・ブラウンの亡骸は横たわる
墓で黴びていきながら
彼の魂は行進しつづける

 

彼は兵士となるべく逝った

神の軍隊の中へ
彼の魂は行進しつづける

 

といった歌詞が付いていた

https://www.youtube.com/watch?v=StFB2g0urhA

 https://www.youtube.com/watch?v=lYjK-Oy4O-A



大統領就任式に際しては

もちろん

『リパブリック讃歌』の歌詞や

『ジョン・ブラウンの亡骸』の歌詞を

響かせるのがふさわしいのだが

子どもの頃に

『ごんべさんの赤ちゃん』や

『おたまじゃくしはカエルの子』を

さんざんぱら口ずさんで暮らしたわたしの脳は

どうしても

「ごんべさん」から想像される無精ヒゲ顔を

副大統領ヴァンスの顔に当てこんで見てしまったり

ヒゲの剃り後が青くなった顔を

大統領の若い長身の息子バロン君に当てこんだり

https://www.youtube.com/watch?v=9uB44aWMrYA

あるいはまた

 

おたまじゃくしは 蛙の子

なまずの孫では ないわいな 

それがなにより 証拠には

やがて手が出る 足が出る

 

と思い出しながら

https://www.youtube.com/watch?v=x6ica6EjIow

バイデンであろうと

トランプであろうと

インディアンから土地をぶんどった簒奪者たちの子

いくらトランプに変ろうとも

やがて手が出る

足が出る

それがなにより証拠には

領土を拡大し

都市を建設し

新たな地平に国旗を掲げていくと

はやくも宣言している

と思いが進んでいってしまうので

われながら

感心してしまった

 

そればかりか

やはり

この曲を使ったヨドバシカメラの例の歌が

どうしても蘇ってきて

 

まーるい緑の山手線
真ん中通るは中央線
新宿西口駅の前
カメラはヨドバシカメラ

 

とアタマの中で鳴り響いてしまって

感心してしまった

https://www.youtube.com/watch?v=InaQ6uQwSBM

 

新宿西口店の歌の最後は

 

良いママ 良いパパ 良い家族
電化製品揃ってる
いつでもみんなの合言葉
家電もヨドバシカメラ

 

というのだが

これが

 

麻薬に 脅しに CIA
軍事兵器も揃ってる
いつでも世界の困り者
アポカリプスならUSA

 

またまた

勝手にアタマの中で替え歌されていくので

われながら

感心してしまった

 

 




0 件のコメント: