よけいな説明も講釈も入らない
皮肉も批判も入らないYouTubeの動画で
第四十七代アメリカ大統領の就任式をながながと見た
権力と経済力と運の
頂点に立つ人びとの集まりというべきだろう
時分の花というべき
時の人たちの集まりでもあった
感心してしまった
日本より
はるかに無駄な儀式性の少ないアメリカだというのに
なんというながながしい
つまらない儀式であることか!
彼らが
よくそれに堪えて
中年以上の肉体にとってはキツイ
老年に達した肉体にとっては猶更キツイ
あの長丁場を
かなりの時間立ったままでいたり
まわりに合わせて拍手をしたり
足を組んだり
組み替えたりはしても
ろくに身動きもできないで椅子に座っていたりして
我慢し続けていることに
ほとほと
感心してしまった
齢78だという第四十七代アメリカ大統領も
プロンプターを見ながらであっても
よくまあ長々と
いろいろしゃべるものだと
感心してしまった
就任式が終わってから
初仕事を披露するというので
なにをするのかと思ったら
たくさんの法令にマジックペンでサインを次々した
自分が78歳になって
あんなにたくさんの法令ファイルに
次々とサインをしないといけなくなったら
つまらないし
疲れるし
堪らないだろうなあと想像し
感心してしまった
現代世界で最高の権力を持つ
といってもいい立場にみごと成り上がって
やることと言ったら
マジックペンでの次から次へのサインだということに
最高権力国家の大統領の
とんでもないつまらなさが感じられて
感心してしまった
四年間の任期を
もし
まっとうするのだとしたら
四年間も
マジックペンで
法令ファイルにサインし続けることになるわけか
くわえて
立ち続けたり
拍手をしたりしないといけない
たくさんのレセプションやパーティーに出続けたり
サンタクロースの人形みたいな
変なクネクネ踊りを
ときどき景気づけに
やって見せたりしないといけなかったりするのか
それを思うと
感心してしまった
そうまでして
アメリカファーストを掲げるおいらファーストを演じ続ける
自己顕示欲があるのか
あるいは
そんなものはすでになくて
すっかり悟りきって
ほんとうに世の中を良くしようと願って
歳をとってあんな労苦を買って出ることにしたのか
どちらの場合であったとしても
感心してしまった
就任の誓いと祝福が済み
祝砲が外で鳴ってから
軍の合唱隊が入場しながら歌っていたのが
日本の子どもにもお馴染みの
『ごんべさんの赤ちゃん』であることにも
あるいは
『おたまじゃくしはカエルの子』であることにも
感心してしまった
この曲はもちろん
アメリカ愛国歌の
『リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republic)』で
Glory! Glory! Hallelujah!
Glory! Glory! Hallelujah!
Glory! Glory! Hallelujah!
His truth is marching on.
をサビとする
神の栄光を讃えつつ
南北戦争を戦う歌なのだが
https://www.youtube.com/watch?v=Jy6AOGRsR80
もともとは
『ジョン・ブラウンの亡骸(John Brown’Body)』という歌で
黒人解放をしようと努めたジョン・ブラウンという活動家が
戦争で死んだ後に贈られた追悼歌で
John Brown's body lies
a-mouldering in the grave
His soul's marching on
He's gone to be a soldier
in the army of the Lord
His soul's marching on.
ジョン・ブラウンの亡骸は横たわる
墓で黴びていきながら
彼の魂は行進しつづける
彼は兵士となるべく逝った
神の軍隊の中へ
彼の魂は行進しつづける
といった歌詞が付いていた
https://www.youtube.com/watch?v=StFB2g0urhA
https://www.youtube.com/watch?v=lYjK-Oy4O-A
大統領就任式に際しては
もちろん
『リパブリック讃歌』の歌詞や
『ジョン・ブラウンの亡骸』の歌詞を
響かせるのがふさわしいのだが
子どもの頃に
『ごんべさんの赤ちゃん』や
『おたまじゃくしはカエルの子』を
さんざんぱら口ずさんで暮らしたわたしの脳は
どうしても
「ごんべさん」から想像される無精ヒゲ顔を
副大統領ヴァンスの顔に当てこんで見てしまったり
ヒゲの剃り後が青くなった顔を
大統領の若い長身の息子バロン君に当てこんだり
https://www.youtube.com/watch?v=9uB44aWMrYA
あるいはまた
おたまじゃくしは 蛙の子
なまずの孫では ないわいな
それがなにより 証拠には
やがて手が出る 足が出る
と思い出しながら
https://www.youtube.com/watch?v=x6ica6EjIow
バイデンであろうと
トランプであろうと
インディアンから土地をぶんどった簒奪者たちの子
いくらトランプに変ろうとも
やがて手が出る
足が出る
それがなにより証拠には
領土を拡大し
都市を建設し
新たな地平に国旗を掲げていくと
はやくも宣言している
と思いが進んでいってしまうので
われながら
感心してしまった
そればかりか
やはり
この曲を使ったヨドバシカメラの例の歌が
どうしても蘇ってきて
まーるい緑の山手線
真ん中通るは中央線
新宿西口駅の前
カメラはヨドバシカメラ
とアタマの中で鳴り響いてしまって
感心してしまった
https://www.youtube.com/watch?v=InaQ6uQwSBM
新宿西口店の歌の最後は
良いママ 良いパパ 良い家族
電化製品揃ってる
いつでもみんなの合言葉
家電もヨドバシカメラ
というのだが
これが
麻薬に 脅しに CIA
軍事兵器も揃ってる
いつでも世界の困り者
アポカリプスならUSA
と
またまた
勝手にアタマの中で替え歌されていくので
われながら
感心してしまった
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