ネット上の広告で
「モチベが上がる社食」
というコピーが
目に止まった
表現を短く
キレをよくする広告文においては
現代でなら
当たり前の文面だろう
しかし
こういう言い方に触れると
なんだか
落ち込んでしまう
言語表現を
なんでもかんでも
高校生感覚で略語化し
おちゃらけたテレビふうに
短縮化してしまう
英語発音無視の
日本語カタカナ英語化が
もちろん
そこに加わり
さらにはそれらを
潤いのない訳語にしたりして
技術革新とやらが
続々と津波となって襲う現代では
そんな新略語が
押し寄せ続けてくる
ようやく慣れた新語が
一年もすればもう古いとされ
古びたとされてしまう語を使っていると
うっすらと小馬鹿にされる
「モチベが上がる社食」
という表現に
なんでも略語化するんだな
なんでも高校生女子みたいに
などと反応できる者は
まだいいほうで
これはヘタをすると
高齢者にはマジ通じない
餅+磯部ならぬ「モチベ」以前に
「モチベーション」という言葉がわからないし
英語としては知っていても
これがふつうに
ビジネス系や教育系の言語環境で使われているのを
知らなかったりする
アイスコーヒーを「レイコー」と言いならわしていた
ちょっとユーモアのある高齢者だと
「モチベーション」を
どうして「ベーション」にしないの?とか
「ベモチ」はどう?とか
「チベショ」がよくね?とか
反応してくるかもしれないが
世の中にはそんなユーモアセンスを脱色し切った
朴念仁型人種もごっそりいるので
いやあ
「モチベ」という語
けっこうヤバかったりします
もちろん
「社食」もヤバいので
「社内食堂」から「社食」への流れが
サッとわからない高齢者なんぞ
石を投げたら当たるぐらいにいっぱいいる
昔の新幹線なんぞを知っている老人は
「シャショク」ってナニか?
「車内食堂」か?
などと思って
あの独特の楽しい空間を思い出したり
きっと
してしまう
ともかくも
なんでもかんでも
高校生感覚で略語化したり
おちゃらけテレビふうに短縮化してしまうのは
聞いていて
ほんと
つらい
現代社会の生きづらさ
というか
なんとも言えないイヤァな感じを
通奏低音的に醸し出すのは
世間で誰もがふつうに使うべき言葉への
こうした略語化
隠語化
業界語化
であったりする
その語を使う者たちが
そうした略語化や隠語化を作り出した者に
言語機能面で
支配されてしまうからだ
そして
言語機能面だけが
人間にとっての唯一の世界である
だから
真の“詩”人(シビト)たちは
幇間どもや
極悪人どもや
全時代共通に存在するナチス党員的ヒト型ロボットたちが使う
取り澄ました軽重浮薄言語体系の
破壊や
脱臼へと
向かい続けることになる
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