暗くなった頃には急に寒さが募り
午後から降り出していた雨も
音を立てて激しく地面に落ちるようになった
こんな時に外に出て
わざわざ買いに行くべきものもなかったが
スーパーマーケットで無料の浄水を取ってきたいのと
コンビニで支払っておきたいものがあったので
暗い冬の雨の中へ出て行った
着て出たダウンジャンパーの袖に打ちつけて
けっこう濡れるほど降っていて
昼間よりもかなり気温も下がっていて
冬の冷たい雨だ……
と思いはしたものの
この雨の冷たさの底にはすでに
春先の冷たさが流れ込んできているようで
もの皆滅んでいく冬というよりも
新たなものの表面にもう触れているような肌感覚が
雨の闇のどこにも感じられるようだった
大通りでは自動車のライトが行き交っていたが
ライトのひかりの中に落ち続ける雨は
わずらわしいものというより
やはり美しくみずみずしいものと見えて
暗い中をわざわざ大降りの雨に降られに出たことも
恵まれた光景との出会いの時となった
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